家族を介護していると、相手がイライラしていて怒りっぽくなったなと感じたことはありませんか?お互いに気持ち良く過ごすための対処法について考えてみましょう。
介護されている家族がイライラ&怒りっぽくなるのはなぜ?

家族を介護していると、やけに相手がイライラしているなと感じることがあります。
「以前はこんな性格じゃなかったのに」「性格が変わってしまった」と思うと、切なさと理不尽さでやるせない気持ちになってしまいますよね。
しかし介護されている家族がイライラするのには、なにか原因があることがほとんどです。その原因が分かれば対処法も見えてくるかもしれません。
介護する人と介護されている人がお互いにラクになるように、まずはその原因について考えてみましょう。
原因①身体的なストレス
介護されている家族が怒りっぽくなるのは、やはり身体的なストレスが主な原因だと考えられます。
病気などの後遺症で介護を受けることになると、思うように動けない自分の体がもどかしく、痛みや痒みなどがあるとさらに不快感が増してしまいます。
小さなストレスも毎日の積み重ねでだんだん大きくなってしまい、やがて一番身近にいる介護をしてくれる家族にその不満をぶつけてしまうようになるのです。
原因②精神的なストレス

介護される人は、家族にお世話を受けることで精神的なストレスも感じていることがあります。
たとえ大切に介護されていても、「申し訳ない」「不甲斐ない」という気持ちになってしまうことがあり、そんな自分にイライラして態度に出してしまうことがあるのです。
自尊心やプライドが傷ついた場合も同様ですね。
デイケアなどを利用している場合は、他者との関わり合いが大きなストレスになってしまうこともあります。
原因③病気の後遺症や薬の副作用
大きな病気をした後や、薬を飲んでいる場合は、病気の後遺症や薬の副作用が影響している可能性も考えられます。
もともとの性格が穏やかで、最近急にイライラが増しているように見える場合などは、これらの原因も疑った方がいいかもしれません。
原因④将来の不安

介護されている人は、将来の不安も感じています。
リハビリをすれば状況は良くなるのか、いつまでその状況が続くのか、一生そのままなのか、いろんなことを考えてツラくなってしまうこともあるでしょう。
そんな将来への不安から気持ちに余裕がなくなってしまい、介護してくれる家族に対して怒りっぽくなってしまうことがあるのです。
原因⑤孤独や寂しさからの鬱症状
家族が献身的に介護してくれている場合でも、24時間常に一緒に過ごせるわけではありません。
デイケアに行ったり、1人で過ごしたり、ふとした瞬間に孤独や寂しさを感じてしまうこともあるでしょう。
介護はお世話をする人だけでなく、お世話を受ける人も鬱のような症状を訴えることが少なくありません。
無理をして頑張っていた場合は、緊張の糸がプツンと切れるように急に怒りっぽくなってしまうこともあります。
原因⑥家族間の関係性の悪化

介護される人の気分は、家族間の関係性も大きく影響します。もしも家族の仲が悪くなっている場合は、やはりイライラすることも多くなるでしょう。
特に在宅介護などは、介護される人は自分のお世話をしてくれる人の気持ちや感情を敏感に読み取ります。「信頼できない」と思うと、怒りっぽくなってしまうこともあるかもしれません。
介護されている家族がイライラ&怒りっぽくなったときの対処法

介護されている家族がイライラして怒りっぽくなる原因は、状況によってさまざまです。
しかしそのまま放置するのは絶対に良くありません。介護する人も介護される人も、お互いにストレスが増していくので、なるべく早く改善した方がいいですね。
介護されている家族がイライラ&怒りっぽくなったときに試すべき対処法は次の通りです。
対処法①ゆっくり会話をする時間を作る
家族がイライラしているときは、こちらも良い気分になりませんが、まずゆっくり会話する時間を作ることが大切です。
「どうしたの?」「何かイヤなことでもある?」と穏やかに聞いて、気持ちを確認した方がいいでしょう。
家族だからこそ、相手は「言わなくても分かるだろう」「なのにどうしてちゃんとしてくれないんだ」と感じているかもしれません。
不満や不安があってイライラしている場合は、「怒っている原因を教えて」と聞くことで、相手も素直に気持ちを話してくれるようになります。
対処法②適切な介護ができているか確認する

イライラの原因が「体が痛い」「体がかゆい」などの不快感が原因だった場合は、適切な介護ができているか確認することが大切です。
在宅介護をしている場合、家族には介護の知識があまりない場合も多いですね。
デイケアなどを利用しているならプロの介護士さんに相談してみて、必要なら介護のやり方を変えることも検討した方がいいでしょう。
ケアマネさんやリハビリ療法士さんなども、困ったことを相談すれば丁寧に教えてくれます。1人で抱え込まずに、早めに相談してみてください。
対処法③生活環境を整える
イライラに原因が生活環境によるものだった場合は、可能な範囲で生活環境を整えることも検討した方がいいでしょう。
たとえばベッドの位置、手すりの位置、部屋の明るさ、室温、湿度、掃除など、生活するスペースはなるべく快適な状況にするのが理想的です。
生活環境が快適になると、イライラも収まり笑顔も増えるかもしれません。
介護をしながらだと何をするのも大変ですが、お互いにストレスを溜め込まないためにも必要なことですね。
対処法④気分転換してもらう

介護されている側の精神的なストレスがイライラの原因になっている場合は、適度に気分転換してもらうのも効果的です。
お出かけできるなら、時間に余裕のあるときは短時間だけもお買い物やお散歩に行くのもいいですね。
外出する時間がないときは、身体状況に合わせた自宅でできる暇つぶしの趣味をすすめてみるのもおすすめです。
時間を忘れて没頭できる趣味が見つかればイライラや鬱々とした気分も収まっていくはずです。
対処法⑤かかりつけ医などに相談してみる
病気の後遺症や薬の影響も考えられる場合は、かかりつけ医などに相談した方がいいケースもあります。
特に「物を投げつける」「ひどい暴言を吐く」など、介護する人の負担が大きすぎて手に負えないときは無理をしすぎるのは良くありません。
在宅介護をしていると問題を1人で抱え込んでしまうこともありますが、自分の生活を守るためには医師や専門家を頼ることも大切です。
まとめ:介護されている家族のイライラには早めの対処がカギ!

介護されている家族がイライラ&怒りっぽくなるのは、さまざな原因が複雑に絡まり合っていることがほとんどです。
怒りをぶつけられるとショックですが、その怒りの背景には「わかってほしい」「助けてほしい」という気持ちが隠れているのかもしれません。
難しい問題ですが、まずは家族間で会話をしてその気持ちに寄り添ってあげることが重要です。
終わりの見えない介護で良好な関係を築くためにも、早めの対処で穏やかな日々が訪れるといいですね。


