母の排尿困難は8年を過ぎても依然として回復せず。70歳を過ぎて高齢ということもあり、半ば諦めていたのですが、なんと9年目にして機能が回復!奇跡がおきました。
9年目にして排尿機能が回復!自力で排尿できるように
在宅介護中に転倒してケガを負い、緊急手術を受けて退院し、母は特別養護老人ホームに入所しました。脳出血で倒れて8年目のことです。
入所した当時は、排便は体調が良いときはトイレで、体調が悪いときはオムツ、排尿はカテーテルの管をお腹に通してバルーンに尿を溜めるという感じでした。
施設では手厚い介護を受けさせていただき、高血圧や糖尿病もあった母は定期的に診察も受けていたのですが、バルーンの交換などもそこでしていただいてました。
そして「カテーテルを抜いて交換するときに、尿意を感じるか試してみましょう」と提案してくださったのです。

以前に入所していた一時施設でも同じように試してくださったのですが、そのときは改善は見られませんでした。
今回も正直あまり期待していなかったのですが、なんと何回目かのタイミングで、母が尿意を感じたのです。
そして職員さんや医師のケアで、母はトイレで自力で排尿できるようになりました!
連絡を受けた私は、もうただただビックリ!そんなことあるの?と驚いて、奇跡が起こったと思いました。
その後、母に面会に行くと、本当にカテーテルとバルーンがありません。
思わず「元気?」ではなく「取れたの?」と聞くと、母は満面の笑顔で「うん」と頷きました。
すごくかわいい笑顔で、嬉しい!という気持ちが伝わってきました。私も軽くテンションが上がっていたのか笑い出してしまい、2人で意味もなく「えー!」「うそ!」「ほんとに!?」と笑っていました。
母に聞くと、管を外してしばらくたつと、なんとなく「尿を出したい」と感じたとのこと。看護師さんたちがそのタイミングでトイレに連れていってくれて、介助されながら便器に座っていると、ちゃんとできたのだとか。
ただ勢いよく出すという感じではなく、ちょろちょろと漏れ出てくるような感じだったそうですが、数年ぶりに自分で排尿して、すごく変な気分だったそうです。

最初は出している感覚はあったけれど違和感もあったそうで、スッキリするという実感もなかったようです。
母も「感覚がマヒしてるから鈍いのかな?こんなものかな?」と思っていたそうですが、看護師さんや職員さんが根気よく何度もトイレに連れていってくれて、だんだん実感が湧いてきたのだと言っていました。
それから現在に至るまで、母は体調が良ければトイレで排尿できるようになり、体調が悪いときや夜間で間に合わないときはオムツに排尿するという生活になりました。
「トイレに行きたい」と思うのは私たち健常者にとっては普通のことですが、「出したい」と思えるのは脳の神経が回復したためで、これはすごい第一歩だと施設の方も笑顔で教えてくれました。
本当は完全にトイレで排泄できれば一番いいのだと思いますが、夜はどうしても起き上がれないこともあるので、これは母も納得しているようです。
逆に体調が悪いときや夜間にトイレに行きたくなったときに間に合うか分からないのが不安なようで、オムツをつけていれば失敗しても大惨事にはならないので、そうしたいと本人も望んでいます。
体が自由に動けず、出したいと思っても自力でトイレには行けないので、母の不安や焦りを思うと、それも仕方ないことなのだと思います。
しかしカテーテルが取れたとことで管が入っていた部分の膿や腫れ、痛みがなくなり、管がないので車椅子からベッド、車椅子からトイレの便座などの移動がとてもラクになったそうです。
また尿を溜めているバルーンが取れたことで人目を気にすることも減り、それもすごく嬉しいのだと言っています。
今は認知症の症状も出ていて、自分が排尿困難だったことも少し忘れてしまっているのですが、70歳を過ぎても数年かけて体の機能が回復することもあるのだと非常に驚きました。
脳出血の後遺症で排尿困難だった母が数年後に機能を回復した体験談はこれで終わりです。
何がキッカケだったのか、なぜ急に改善したのかは医師ではない私には分からないのですが、リハビリや外出などの運動や刺激が何か良い影響をもたらしたのかなぁと思っています。

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